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2022年に読んだ本

2022年も色々な本を読んだ。 特に印象に残っているものについて書く。 改めて書くことでもないが、書評のような真似をするつもりはなく、これは、自分の日記の延長だ。


エッセイ


星野道夫さんの本


すでに何冊か文庫を持っていて、今年も少し買い足して、読み返してみたりした。 星野道夫さんはすでに亡くなっている写真家。氏は、アラスカに拠点を構えて、北極の自然の風景や原住民の暮らしを観察してきた。そういったエッセンスが、写真やエッセイとして本に残されている。変わらない大自然の流れと、変わっていく人の暮らしに、思いを馳せずにはいられない。


小説


林譲治さんの小説


2022年は、「大日本帝国の銀河」シリーズが終わって、「工作艦明石の孤独」シリーズがはじまった。楽しみ。


森博嗣さんの小説


今年は、WWシリーズの新刊や、シリーズ外だが例のあの人が出てくる「オメガ城の惨劇」が刊行された。オメガ城は、シリーズのファンとしては嬉しい展開。これは、ファンサービスなのか。フヒヒってなる。


ツインスター・サイクロン・ランナウェイ


面白かった。 宇宙x百合がテーマの小説。(そういってしまえば今年はじまったアニメ水星の魔女も当てはまるのだが・・・) 宇宙大好き。謎の技術や、謎の知的生命体、そして白兵線。


シナモンとガンパウダー


面白かった。 時は大航海時代。 豪商に雇われていた料理人は、あるとき海賊の襲撃にあい拉致される。そこから思いがけない波乱と愛憎の渦に巻き込まれていくという話。


コックが主人公というと、何年か前に読んだ「戦場のコックたち」が記憶に残っている。全然違う作品なのだが、そういった連想や期待から手にとってみたのだ。また、海賊の捕虜になって冒険をするっていうのは、どことなく、ジュール・ヴェルヌの海底二万里を連想する。


これは、愛の物語でもある。ことは読者の期待通りにはならない。良い方向にも、悪い方向にも、裏切られることを覚悟しなければいけない。いや、覚悟しないほうが面白いか。


折れた竜骨


おもしろかった。 米澤穂信さんの小説。 刊行されたのはけっこう昔のようだ。本屋で出会った。 中世の描写や、決して派手では無い魔術、描写がうまい。いつも、本当に日本人か?って思う外国の描写。 そしてミステリも健在。うーん、良い。


技術書(IT)


実はあまり読んでいないが、大きなものだと以下。


  • HTML解体新書
  • Reactハンズオンラーニング
  • ラーニングGraphQL

今年から仕事で React を使うようになったので、急ぎ復習するために、オライリーReactハンズオンラーニングを一通り、手を動かしながら読んだのだが、とてもわかりやすくて良かった。同じ原著者 Alex Banks さんの ラーニングGraphQL も良かった。


それから、今年は雑誌をよく読んだ。


  • Web DB Press
  • Software Designing
  • Web Designing

音楽


今までなんとなく聴いていたジャズをもっと体系的に理解したいと思って、ジャズについての勉強(?)をしている。はたして、ジャズの勉強とは一体・・・


ジャズの歴史物語


奴隷制度から1970年代まで、これを読めばジャズの流れがわかる本。古い本なので、ジャズ全史ってわけではないのだが、ニューオーリンズからニューヨークにいたる流れをだいたい掴むことができる。


ジャズジャイアンツ・インタビューヅ


ジャズの歴史物語と同時期に読んだ。ジャズプレイヤーたちへのインタビューをまとめた本。すべてをちゃんと読んだわけではないのだが、とくに好きな人や、歴史上重要な人物についてのところを読んだ。


これらのジャズ勉強を通して、以前よりも確実にジャズを楽しめるようになった。とても解像度が上がったのだ。 いま特に気にしていることは、同じアーティストでも、何年の演奏なのかを気に留めること(たとえば、ジョン・コルトレーンの軌跡は面白い。)。演奏の背後にある音楽理論に気を留めること。 最近の”ジャズ勉強”を通して、音楽理論として、「モーダルジャズ(モードジャズ)」の存在を強く意識するようになった。モーダルジャズで有名なウェイン・ショーターを良く聴くようになった。


語学


英語学習の本をいくつか読んでいる。 英語を学習する動機は人によって様々あるけど、いまの私のモチベーションは、「ミステリを原書で読みたい」につきる。人とのコミュニケーションは苦手だ。日本人とのコミュニケーションですら億劫なのだから、英語でも避けたいものだ。


今年は、日本語訳読了済みの「The Puppet Show (M.W. Craven)」を読もうとしたが、途中で挫折した。まぁ、本書は、日本語でもあまり読みやすいタイプではないから(けなしているわけではない)、こんなものかもしれないが。 それから、 「ミステリーで読み解く英文法 オリエント急行殺人事件」という本を読んでいるけど、これは良い。元版からリライトされた英語なのだが、日本語の解説もある。比較的やさしい英語で書かれているためか、理解しやすく、自分のレベルにあっていると感じる。


読書の方法


今年は電子書籍よりも紙を選ぶことが増えた。 ひとつには、子供の存在が大きい。家族と過ごすときには、なるべく iPad を使わないようにしているのだ。 紙の本、つまり物理本は、だいたい、無計画に立ち寄った本屋で、無計画に買うものだ。本との出会いは一期一会。この方法だと、電子書籍と違って、いつ買ったのかがわからなくて困る。 また、図書館に通うことが増えた。図書館ごとの特色を気にするようになった。


ここまで書いてみたものの、読書について書くといっても、小説でも無い限りは、本の話題で完結させることは難しく、生活、仕事、精神、趣味など、色々なことに触れてまわらないといけなくて大変だ。 とりあえず書くのをやめる。 以上。