Anker のポータブルプロジェクター Nebula Capsule 3 を6畳の部屋に設置した。
うちの和室・6畳間はリビングっぽい使い方をしている。また、隣のLDKとつながっていて、扉を撤去しているので、大きな空間の一部分だ。その部屋に、プロジェクターを設置することにした。
今の家に住んでからはや数年。最初のころは液晶テレビを置いていたのだが、ライフスタイルに合わないので撤去してしまった。
テレビをやめたのは、映像コンテンツと距離を置き、依存性を減らしたい、という意図もあった。しかし、今思えば、スマホなど代わりのものへの依存が強くなるので、良いんだか悪いんだかって感じだ。
テレビをやめたあと、やや大型の4Kプロジェクターを使うようになったが、これも、合わなかった。
大きなプロジェクターには、いくつかのメリットがある。4Kなど高画質に、高出力の光源。 一方で、廃熱、消費電力、重さ、配置の自由度がかなり低く、そのうえ、単体で運用しにくい(音がしょぼい・入力がしょぼいので、いろいろな追加機材を要する)など、デメリットもある。いい感じの配置場所を定めて、固定してしまうのが一番良いが、高い位置に、重量物を固定する構造物を造作することになるので、そもそも難易度が高く、安全性も気になる。プロジェクターのことを考慮されていない住宅、賃貸や建て売り物件でおいそれと使える代物ではないってことだ。
そこで、2代目プロジェクターとして、 Nebula Capsule 2 をしばらく使った。 Nebula Capsule 2 は、まるでドリンクボトルのような形状の、ポータブルプロジェクターである。さすがAnkerと言えるようなバッテリーとスピーカーを備えて、Android TV を搭載しているので、スタンドアロンでも稼働できるし、数時間ならバッテリー駆動できる。我が家ではメディアサーバーとして Jellyfin を活用しているが、とても相性が良い。 Capsule 2 は、フットワークの軽さでデメリットをカバーする。 三脚に乗せて利用していて、使いたいときだけ、使いたい場所に設置するのだ。 しかし、三脚や自由雲台も、良いことばかりではない。 毎回毎回、画角を調整するのは面倒だし、自由雲台のネジはしっかり締めてもグラつく。さらに、HDMIケーブルとの相性も悪い。HDMIケーブルは基本的には固くて重いので、ケーブルに引きずられて本体や三脚がすぐに動いてしまう。
不便なことや、能力不足もあったけど、それは良いんだ。ほどよい抵抗があったほうが、依存を減らせるからだ。
時間がたち、Capsule 2 にも満足できなくなってきたところで、我が家のプロジェクター・プロジェクトは、新たな局面を迎えることになる。
Capsule 3 である。
Nebula Capsule 3 は、2 の後継機。 Android TV の代わりに、 Google TV OS という新しいOSが搭載される。Android TV OS で使えるアプリなら、だいたい使える。 映像面では、FullHD 画質になり、また、台形補正・自動ピント補正・障害物回避など、強力なアジャスト機能がついている。おそらく、GPUがけっこうがんばってると思う。でも、この強力な画像調整機能のおかげで、物理的な条件にわずらわされることが激減して助かっている。
我が家の新しいセットアップでは、 Capsule 3 を、ダクトレールを用いて天井吊り下げすることにした。 また、電源ケーブル(USB Type-C) とHDMIケーブルを、白いケーブルスリーブで包み込んで、壁を這わせて、中継ポイントまで繋いでいる。中継ポイントには、電源タップや、Nintendo Switch のドックなど、いろいろ詰まっている。 ダクトレールは天井裏木部にしっかりビス留めしてある。普通、照明器具を吊るすのに使うのだが、今回は、ダクトレールには通電しておらず、単なる固定器具だ。
オーディオまわりも新しくした。 Anker SoundCore 2 の2本使いである。
SoundCore 2 は、Anker のポータブルスピーカー。5,000円未満だが、いい感じの低音が出るし、バッテリーライフも15時間以上保つ。 SoundCore 2 は、2台で使うと真価を発揮する。True Wireless Stereo (TWS) 機能だ。TWSを有効にすると、この2つのスピーカーはニコイチとなる。それぞれが、右スピーカー、左スピーカーの役割をこなすので、より本格的なステレオ音響体験を得ることができる。
Capsule 3 も同じようなスピーカーを搭載しているのだが、 Capsule 3 と SoundCore 2 をペアリングさせることで、SoundCore 2 のほうから音が鳴るようになる。なお、Google TV OS 経由の映像はもちろんのこと、HDMI 入力の映像も同じように、SoundCore 2 が鳴動する。 SoundCore 2 は、スクリーンのそばに配置している。 一般的なステレオスピーカーの配置原則に則り、耳の高さに配置し、リスニングポジションとの位置関係が正三角形に近い二等辺三角形になるようにする。また、若干のトーインを行う。 スクリーンは、下の部分と目線が同じ高さになると良いらしいので、SoundCore 2 はスクリーンの下が定位置になっている。 SoundCore 2 には電源を接続せず、バッテリー駆動だけで使っているが、我が家の使い方では、数日は余裕で保つ。バッテリーが切れたり、未ペアリングでも、Capsule 3 から音が鳴るので、あまり問題無い。Bluetooth の遅延は、全く気にならない。最近のBluetoothはすごい。 TWSは、左右どちらか区別がつかなくなるので、マスキングテープとペンで「左」「右」などとわかりやすく書いてある。わからなくなったら、3Dのゲームの音で確認すると良い。例えば、ブレワイの「たき火」などを使って、ちゃんと空間を立体的に把握できるかテストしたりする。 別の選択肢として、サウンドバーのような製品も検討してみたが、ここでもフットワークすなわち配置の柔軟性や、邪魔じゃないことを重視することにした。せっかくテレビが無い部屋なのに、重くてデカい電子機器をわざわざ置きたくないじゃない?プロジェクターは生活の主役ではないので、このくらいで良いのだ。